ども!
節約投資家のぱんだマンです。
楽天VTや楽天VTIなどを手掛ける楽天投信投資顧問が10月6日、新たなファンドを2つ発表しました。
それが業界最低水準の運用コストを目指す新しいインデックスファンド
- 楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド (愛称:楽天・オールカントリー)
- 楽天・S&P500インデックス・ファンド (愛称:楽天・S&P500)
どちらも個人投資家から絶大な人気を誇る全世界株式クラスと米国株式クラスのインデックスファンドになっており、その信託報酬も最安クラスでの登場です。
また楽天投信投資顧問のファンドとしては珍しく現物株での運用となっており、そこがETFを買い付けるだけの楽天VTや楽天VTIと異なっています。
そこで今回は楽天が発表した2ファンドについて概要を紹介しつつ、個人的見解を述べたいと思います。
ファンド概要

まず簡単にですが、新ファンド2本の概要を紹介します。
■楽天・オールカントリー株式インデックス・ファンド (愛称:楽天・オールカントリー)
・連動指数 MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(円換算ベース)
・購入時手数料 なし
・信託財産留保額 なし
・信託報酬 年0.05775%(税込)
・設定日 2023年10月27日
・販売会社 楽天証券
■楽天・S&P500インデックス・ファンド (愛称:楽天・S&P500)
・連動指数 S&P500インデックス(円換算ベース)
・購入時手数料 なし
・信託財産留保額 なし
・信託報酬 年0.09372%(税込)
・設定日 2023年10月27日
・販売会社 楽天証券
基本的な項目は「スリムオルカンやスリム米国株と同じ」といっていいでしょう。
ACWIとS&P500指数に連動するインデックスファンドで、無駄なコストはかからず長期投資に適したファンドです。
またライバルであるスリムシリーズやたわらシリーズ、野村のはじめてのNISAシリーズでは当たり前ですが、楽天投信投資顧問のファンドとしては珍しく現物株に投資するみたいです(一部はETFや先物も利用する)

まぁ、どれだけの割合で現物株に投資するかは現時点では不明ですので、もしかしたらETFメインで現物株はおまけ程度かもしれませんが。
インデックス投資家として気になる信託報酬はライバルである上記シリーズのファンドと同率で最低水準となっています。

ただライバルファンドは法定書類の作成費用を運用会社負担にしているところを楽天ファンドは顧客負担にしているので、その分だけ実質コストが高くなる恐れがあります。
実際どれだけコストがかかるかは来年7月の「運用報告書」を確認するまで分かりませんので、ここはリスクとなるでしょう。
結論:投資価値なし

ここからは純粋な私見ですが、今回登場した楽天の両ファンドは投資する価値はありません。
理由はいくつかあるんですが、一番は今更参入してきたクセにコストで他社を追い抜けなかったことですね。
全世界株式もS&P500もインデックスファンドの中で最もコスト競争が起きている分野で、実績あるライバルファンドがいくつもあります。
例えば、スリムシリーズなんて2018年から5年以上業界最低水準のコストで安定した運用をしてきた実績がありますし、Tracersは全世界株式において単独最安値で参入。
野村のはじめてのNISAシリーズはTracersがに信託報酬に含めなかった経費までしっかり含めて同率に設定し、スリム全世界株が信託報酬を引き下げざる負えない状況を作りました。

だからこそ個人投資家は応援する気持ちでそれらファンドを購入していたんですが、楽天はただ同率に設定しただけで何もサプライズはありませんでした。
これだとあえて楽天に投資する理由がないんですよね。
まして野村やたわらみたいなデカいマザーファンドを有している訳ではありませんから運用初期は指数からの乖離率が高くなりそうですし、楽天投信投資顧問にしては珍しい現物株運用なのでその運用スキルも心配です。
その上、法定書類の作成費用を顧客負担にしていますから、個人的には実質コストが他ファンドより高くなる未来しか見えません。
なので特別メリットもない地雷を踏みに行く必要はないので、無難にスリムシリーズかはじめてのNISAシリーズ、たわらシリーズあたりを購入するのが良いと思いますよ。

楽天VTや楽天VTIの顧客を放り出してまで作り上げたファンドというには余りにお粗末な出来ですから。
ってことで今回は以上です。
また次回!
have a pandaful day
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