ども!
節約投資家のぱんだマンです。
運用残高1兆8,700億円を超える国内最大ファンド「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を運用している三菱UFJ国際投信が25日、同ファンドで保有している株式の貸付(レンディング)行うことを発表しました。
正確にはスリム米国株式を含む6つのファンドなんですが、これらファンドが保有する株式が順次レンディングされていきます。
- eMAXIS S&P500インデックス
- eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
- MUFG ウェルス・インサイト・ファンド(保守型)
- MUFG ウェルス・インサイト・ファンド(標準型)
- MUFG ウェルス・インサイト・ファンド(積極型)
- つみたて米国株式(S&P500)
『保有株式の貸付(レンディング)ってなに??』、『発表内容読んだけど言っていることが分からない』という人向けにめちゃくちゃ分かりやすく要約するとこうなります。
三菱UFJ国際投信: みんなから集めたお金で投資している米国株なんだけど、第三者に貸して品貸料(レンタル料)をゲットするわ! レンタルで得た利益の一部(50%未満)は俺らがもらうが、50%超はお前らにやるからいいだろ? 第三者が倒産した時や返却されなかった時のリスク? それはお前らで負担よろ♪(´ε` )
ちょっと軽すぎますが、内容自体はマジでこんな感じです。

そもそもインデックスファンドというのは、対象となる指数の値動きに連動する投資成果を目指して運用が行われていますが、当然指数にはない信託報酬やその他の費用・手数料が引かれるために対象指数より運用成果が下回ります。
※例、米国株に投資する上での為替手数料、現物株購入時の購入手数料、商標利用料、解約に備えて運用には回せない現金、システム費用、人件費などなど。
ただ、それら費用がかかっても指数に連動するよう先物を利用して運用比率を上げたり、マザーファンドの規模を利用してコストを抑えたり、親会社・子会社のビジネスを利用したりして、少しでも指数に連動させるよう運用する。
これが運用会社の技術であり、同一指数に連動するファンドでも運用会社ごとに実質コストが大きく異なる要因なんですね。
今回、三菱UFJ国際投信が保有株式の貸付に動いたのもその一環でしょう。
- 貸付(レンディング)を実施して品貸料(レンタル料)を受け取れば、指数との連動性を上げられる
- 指数との連動性が上がればパフォーマンスが向上し、投資家も儲かる
- 品貸料で自社も儲かれば、限界まで下げた信託報酬で減った利益を取り戻せる
こんな狙いがあったと思います。
ただ、保有株式の貸付はこのようなメリットばかりではありません。
案内でも記されている通り、貸し付けた企業が倒産等で支払い能力がなくなってしまえばファンドが損失を被ります。

ファンドの損失=基準価額の下落=投資家の損ですから、一概には喜べないですよね。
しかも極端な話、運用会社はちょっと危ない第三者に貸し付けた方が信用リスクが高い分、得られる品貸料(レンタル料)も高くなります。
そんで最悪なケースでも投資家が損するだけなんですから、運用会社があまりにもメリットがある一方的な変更だと思います。
個人的にこのようなことを『日本で1番のインデックスファンドにはやってほしくなかった』ってのが率直な意見です。
我々は株式市場のリスクを認識した上で投資していますが、よく分からない第三者への信用リスクについては負いたくありません。
それを勝手に約款を変更して、全ての保有者がこれまで積立した分、そして今後積立する分にも貸付を適用するのはかなり勝手だと思いますよ。

またこの流れが他社のS&P500連動ファンドや全世界株式、先進国株式ファンドにもいったら最悪ですよ。
特に今回オルカンは対象外でしたが、運用会社は同じ三菱UFJ国際投信なんでいつ同様の措置がなされてもおかしくありませんしね。
現状、保有商品の貸付をしているインデックスファンドは
- 楽天バンガードシリーズ
- SBI・Vシリーズ
- そして今回発表されたスリム米国株などの一部ファンド
今後の展開次第では、純粋に運用するファンドが淘汰されかねない、または他社ファンドも貸付サービスを開始せざるおえない状況に追い込まれる可能性もあります。
そうなるとインデックス投資家は選択肢がなくなって余計なリスクを負うことになりますから、長期的な資産運用を考えている私たちにとっては良くない流れですね。
現在はまだ保有株式の貸付を行なっていないライバルの「たわらシリーズ」や「ニッセイシリーズ」には、なんとか今のままで頑張ってもらいたいです。
私ももしかしたら新NISAを機に積み立て銘柄を変えるかもしれませんね!
スリム米国株に積立している投資家も多いと思いますので、今一度自身がこの余計な信用リスクを受け入れられるかご検討ください!
それではまた次回!
have a pandaful day
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