ども!
節約投資家のぱんだマンです。
今回は毎月恒例のつみたてNISA結果公開回ですが、ヤバいニュースが吹き荒れた1ヶ月でしたね。
特に、
- 総資産28兆円、資産規模は全米で16番目を誇るシリコンバレー銀行の破綻
- 資産規模29番目で、暗号通貨関連企業と深く繋がっていたシグネチャー銀行の破綻
- 同じく暗号通貨関連企業と取引があったシルバーゲート銀行の事業閉鎖
この連鎖的な破綻は2008年のリーマンショックを彷彿させるような出来事でした。
そして信用不安が拡大することで他の銀行株も叩き売られ、直近では世界最大規模の金融コングロマリットである「クレディ・スイス」まで経営不安が広がってきました。

現在は米・欧当局がなんとか金融不安を抑えようと奔走していますが、これが今後どうなるかはまだ誰にも分かりませんし、さらなる拡大と世界恐慌の入り口になるかもしれません。
そこで今回はつみたてNISAの投資状況を振り返るとともに、今のような状況を作ってしまった原因と今後我々がすべき対策について紹介します。
このブログではつみたてNISAが開始された2018年からの資産推移を毎月公開しているので、『投資するとこんな感じになるんだな〜』と多くの人に知ってもらえると嬉しいです。
そして少しでも多くの人が投資を始めて、より良い人生にしていきましょう!
つみたてNISAに関する設定はこんな感じです。
投資銘柄:eMAXIS Slim米国株式(運用のみ銘柄が別であり) 投資金額:月33,333円 利用証券会社:楽天証券 投資方針:30歳・子なし・会社員とリスク許容度高く、運用可能年数も長いので米国株インデックスに集中投資
結果発表

早速結果ですが、月3.3万円の投資を60ヶ月続けると300万円になりました!(投資元金は209万円)
先月の309万円からは9万円(約3%)ほど下がってしまいましたが、この程度でしたら相場次第ですぐ回復しますし、今後もっと成長するだろうと確信しているので大丈夫です。
この下げの原因ですが、もちろん上記の金融不安ですね。
米国でも中堅銀行であるシリコンバレー銀行(SVB)、シグネチャー銀行が連鎖的に破綻するという最悪の結果を招いたことで市場は大混乱。
全セクターが含まれるS&P500で見てもボラティリティの激しい1ヶ月となりました。

では、なぜこんなことが起こったのか。
特に影響の大きかったシリコンバレー銀行(SVB)が破綻するまでの経緯を簡単にまとめてみました。
- FRBがインフレ対策のために急激な金融引き締め(利上げ)を実施
- 債券利回りは上昇し、債券価格が下落する
- SVBが顧客の預金で運用している債券価格も下落する
- 利上げによってSVBのメイン顧客である「スタートアップ企業」の資金調達が難しくなる
- スタートアップ企業は資金調達の代わりに銀行預金を引き出す
- SVBは顧客の預金引き出しに対応するため、価格が下がっていた債券を売却
- 安売りした債券の損失を補填するために増資を発表
- 経営が危ういと感じた利用者が続々と預金を引き上げる
- 増資が失敗して破綻
こんな感じで「利上げによる債券価格の下落」と「顧客の預金引き出し」が重なったために、現金が不足して経営破綻してしまったんですね。
ちなみにシグネチャー銀行も途中までの流れはほぼ同じで、最終的にはSVBの破綻で流出が止まらなくなって破綻しました。
そして現在、ファースト・リパブリック銀行やパックウェスト・バンコープなどの地銀まで『次に破綻するんじゃないか』と懸念されている状況です。

ただ、ここからの米当局の対応はとても早かったです。
市場の混乱を少しでも落ち着かせるため、そして他の銀行に余波を波及させないため「1口座あたり25万ドルまで」という救済上限を取っ払って、預金全額を保護する例外措置を発表。
それからFRBとJPモルガン・チェースなどの大手銀行が協調して資金を調達し、特に危機的状態であったファースト・リパブリック銀行の資本状態を回復させました。
今の金融市場はこんな感じで未だ嵐のように荒れていますが、つみたてNISAの保有状況は以下の通りまだまだ余裕。
85万円近い含み益を抱えています。
たまに『利益あるなら利確しないの?』って聞かれることもありますが、今年で終わる現行のNISAは非課税枠の復活はないので出来る限り売らないのがベターです。
お金が必要になるその時まで運用を続けて、少しでも投資資金に働いてもらって効率的にお金を増やしましょう。


今は全額eMAXIS Slim米国株式に投資しています。
二度目のリーマンショックはない

個人的にSVBやシグネチャー銀行の経営破綻は、リーマンショックのような危機には繋がらないと考えています。
理由は2つ。
- 今回の破綻は単純な経営ミスによるところが大きい
- 金融危機についての対処は経験済みである
まず今回のSVBバンク破綻とリーマンショックは原因が全く違います。
SVBバンクはメイン顧客が資金難になりやすいスタートアップと知りながら預かった預金の多くを長期債で運用し、下落した長期債の損失と手元資金の枯渇で破綻。
対してリーマンショックは「MBSの格付けの甘さ」や「銀行の自己資本比率の低さ」、「本来なら住宅ローンを発行すべきではない人にも発行したこと」など、金融業界全体が絡んでいたことによって爆発的な連鎖反応を起こしたことに起因します。

普通の銀行であれば小口の利用者や業種が違う大口の口座、貸付、短期運用・長期運用とをバランスよくリスク分散し、どのような相場になろうと対応できるようにします。
それをSVBはスタートアップへの融資と長期債の運用に重きを置いていたんですから、そんなハイリスクハイリターンな経営を続けてしまった経営側のミスですよ。
それにリーマンショックを経て米国は金融規制改革法(ドッド&フランク・ウォールストリート改革法)を成立させ、金融システム危機の再発を防げるよう対策を打ってきました。
ドッド&フランク・ウォールストリート改革法
2008年、リーマン・ブラザーズの破たんを契機として発生した世界的な金融危機を教訓として、金融取引の規制を強化し、金融機関の肥大化を防止するためにオバマ大統領が提唱し、制定された。
※例えば、大規模な金融機関にはより厳格な規制を課して「大きすぎて潰せない」という事態を未然に防止したり、銀行及び銀行持ち株会社による自己勘定取引やヘッジファンド、プライベートエクイティ投資を制限するなど。
野村證券株式会社
FRBも過去の暴落で得た様々な経験や経済を下支えする方法(資金注入による流動性を供給、利下げ、市場との対話など)を学んでいますし、実際コロナショックでは経済を急速に復活させた実績があります。
直近も1年かけて減少させてきたバランスシートを再び増大させ、危機的な状況にある銀行に流動性を供給しています。

このような違いや実績によって、私自身は米銀破綻によるリーマンショック級の暴落はないと考えています。
ただ、冒頭で紹介したクレディ・スイスが破綻した場合は例外です。
クレディ・スイスのような世界的な銀行は株式市場や債券市場に与えるダメージが半端ないですし、保有商品そして様々な国の国債を通して経済全体にわたって多くの相互関係を築いています。
ゆえに仮に破綻した場合は世界経済全体の信用に打撃を与えます。
私たち個人投資家はこれが金融危機の始まりなのかを注意深く見極め、そして何が起こっても慌てないことが重要です。
リーマンショックの際は株価が約50%暴落し、その後ショック前の⽔準を回復するのに約5年半要しましたが、「史上最大の金融危機」と言われたリーマンショックですら5年半で回復しているんです。
長期で投資をしている私たちにとってはむしろ絶好の買い場となりますので、冷静に淡々と購入を継続していきましょう。
またなにか重要な動きがあれば報告しますね!
※追記:19日、クレディスイスはスイス政府の後押しもあってスイス金融最大手UBSに買収されることで合意しました。
市場の動揺はまだ収まっていないものの、信用不安のピークは越えたと思われます。
それでは今回は以上です。
また次回!
have a pandaful day
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