ども!
節約投資家のぱんだマンです。
2022年2月14日、楽天グループの「2021年度通期及び第4四半期決算説明会」が開催され、多くの投資家や楽天ユーザーが注目しました。
その説明会で現代表取締役会長兼社長である三木谷氏が楽天証券のポイント還元施策について極めて興味深い発言を行い、一部では話題となっています。
今回はその件について、一人の楽天証券ユーザーとして思うことを書き連ねたいと思います(ただの愚痴回です….)
発言の真意は?優良顧客とは?

その説明会で三木谷社長は、
我々は、楽天証券のポイント還元について寛容すぎた。
顧客の中には利益貢献しない者もいる。そこで顧客ごとの分析を開始し、我々にとっての最高のポイント施策というのは何かを考えるようになった。
楽天証券の資産運用額が数兆円レベルになったことで、ポイントのコストが非常に多くかかってしまうようになった。
通年で70~80億円程度になる。そこを変える。
このようにおっしゃいました。
ここから言えることはただ一つ。
この人なに言っちゃってるの?!
楽天という超巨大グループ代表の発言とは思えませんでした。
確かに楽天証券の顧客の中には、全く利益をもたらさない
- 楽天カード積立即売り勢(購入後即売りによるポイント分タダ取り)
利益率が極めて小さい
- 低コストインデックス投資家勢
がいるのは事実です。
特に楽天カード積立即売り勢については、「投資」ではなくただのポイントのタダ取りですから変更したくなるのは理解できます。
しかし後者については楽天証券がここまで口座数を増やし、ネット証券の絶対王者として君臨していたSBI証券を追い抜く起爆剤となった要因ですよ。
旧態依然とした証券会社のやり方であった高い手数料の投資信託の販売ではなく、ノーロードで低コストなインデックスファンドの普及と共に大きくなったのが楽天証券です。

これを切り捨てた罪はあまりに大きい。
インデックス投資は20年30年と長期で続けることで複利を活かす投資法ですから、顧客が運用を続ける限り信託報酬の一部が楽天証券にとっての利益になります。
いくら低コストインデックスファンドからの取り分が小さいと言っても、楽天証券の預かり資産は約10兆円、毎月の投信積立設定額は700億円と現時点でも膨大で、これからも顧客の資産が増加すれば利益も比例して大きくなります。
これが分かっているにも関わらず長期的な顧客である個人投資家を冷遇したら、本当にみんな楽天証券から離れちゃいますよ?
実際、私は先日600万円以上の投資信託を移管しましたし。

どうすればよかったのか

楽天証券が利益貢献しない顧客を排除したいのは理解できます。
利益を食い潰す顧客がいるのは確かですから。
ですがここ最近発表された新たなポイント施策では、今まで楽天証券でコツコツ積立して今後も長期的に付き合っていこうとした個人投資家をむしろ排除するような施策ばかりです。
クレカ還元にしても信託報酬の高い投資信託は依然として1%還元のまま。
これでは信託報酬の高い債券ファンドを積立&即売りで楽天カード積立即売り勢は以前と変わらず、信託報酬の低いインデックス投資家のみ割を喰うハメになります。
ハッピープログラム(投信保有ポイント)の改悪も同じ。
2021年7月以前のように銘柄に関係なく投信残高10万円ごとに4ポイント付与というのはさすがに事業継続のために是正すべきですが、2022年2月からの残高が初めて一定の金額に達成した場合にのみ一定ポイント付与はやりすぎです。
せめてそこは死守しないとSBI証券の投信マイレージに、マネックス証券の投信保有ポイントに確実に見劣りします。


個人的に思うことですが、クレカ積立に関しては
- 即売りすると非課税枠が消滅するつみたてNISAや即売りできないiDeCo口座での積立は還元率を維持する
- SBI証券と同じように、ノーマルカード0.5%還元・ゴールドカード1%還元・プレミアムカード2%還元とカード毎に分ける
- 0.2%還元は特定口座での積立のみ抑える
- クレカ積立した分のみ、ポイント付与を一定期間保有後にする
等々、やれることがあったんじゃないかと思います。
存在価値のなくなった楽天ゴールドカードの意義が復活しますしね。
またハッピープログラム(投信保有ポイント)に関しても
- 付与ポイントを期間限定ポイントにする
- ポイント付与率をマネックス証券あたりまで下げる
等、いきなり廃止するより良いやり方があったはずです。
結局この改悪で最も割りを食うのは毎月コツコツ低コストファンドを積み立てている個人投資家ですし、ユーザー目線でない証券会社だというのが印象付けられてしまいました。
まとめ

正直、楽天グループの改悪はどれもモバイル事業の補填でしかなく今後も拡大する余地は大いにあります。
そんな状況にも関わらず会長兼社長がこの発言。
なんか状況を読めていない感じが伝わってきました。
今後もしばらくは楽天証券の口座数No,1は続くと思いますが、預かり資産と毎月の投信積立設定額は減少の一途を辿るでしょう。
私に限らず移管している個人投資家は山のようにいますし、資産が大きくなればなるほど新たな施策は影響が大きくなりますから。
優良な顧客を逃してしまった楽天証券が今後どんな対応をするのか、注目していきたいと思います。
今回は以上です。
それではまた次回!
have a pandaful day
コメント
投資の神様として名高いウォーレン・バフェット氏の使用しているクレジットカードはAMERICAN EXPRESSのグリーン(一般)カードであることは有名な話ですが、この話は
『必要のないコストを抑えるためにグリーンカードを使っている』ことがフィーチャーされることが多いです。
その理屈で言えばよりコストが抑えられるVISAやMastercardのようなプロパーカードを使いそうなものですが、バフェット氏はアメリカン・エキスプレスに対する信用を重視して当ブランドのカードを使っているのだとか。
このエピソードから私たち消費者が学べることは
『ポイント還元率の高さや経費だけに目を向けるのではなく、その会社のサービスが信用できるかも重要である』ということです。
銀行、証券会社、クレジットカード等は直接お金を預けているようなものですから、信用も含めて慎重な判断をする必要がありますね。
なお、安いものはことごとく質が悪いという意図のコメントではありません。あしからずご了承ください。
間違いないお話です。
私を含め多くの人は目先のポイントに釣られてしまいますから、今回の件でしっかりその会社の「信用」について学ばなければいけませんね。