ども!
節約投資家のぱんだマンです。
ふるさと納税の返礼品の代わりとして現金がもらえる衝撃のふるさと納税サイト「キャシュふる」が2022年6月8日に開始されました。
『えっ!!そんなサービスあるの?!』って思う人もいるかもしれませんが、これが一部ではかなり話題となっているんですね。
なにせ『返礼品はいらない。物よりも使い道が無限大な現金の方がいい!』って人、一定数いますよね??
そんな人たちにとって、寄附金控除や税金の還付の申請は他のポータルサイトと同様のやり方で行うことができ、実質返礼品の現金化ができるキャッシュふるのサービスはかなりアリだと思います。
ですが、私はこのサービスを使うことはオススメしません。
今後の展開次第では、最悪「寄附金は払ったのに控除されない」って事態になりかねないと思います。
そこで今回は、この禁断のふるさと納税サイトを注意喚起として紹介します。
追記:キャッシュふるは2022年6月10日をもってサービス終了を発表しました。
キャッシュふるのビジネスモデル

まずこの「キャッシュふる」なるサイトのビジネスモデルを簡単に紹介します。
- キャッシュふるは自社サイトから寄附金額分をユーザーから集金
- キャッシュふるが特定の自治体に寄附
- 自治体から返礼品をもらうことができる返礼品受領権を第三者(Aさん)に販売
- Aさんからの売上から手数料を引いた金額(寄附額の20%)をユーザーに渡す
- 返礼品がAさんのもとに届き、寄附金証明書はユーザーのもとに届く
キャッシュふるが返礼品受領権をいくらで販売したのかは分かりませんが、ふるさと納税の返礼品というのは総務省が定めたルールで寄附金額の3割までと定められていますから、例えば10万円寄附したとしても実際は3万円分の商品しか届きません。
『3万円の商品を3万円で販売しても買う人いなくない?』とか『3万円のうち2万円をユーザーに返すわけだから、売れたとしてもキャッシュふるの手残りも少なくない?』って思われるかもしれませんが、ここにもカラクリがあります。
実はこの3割というのは仕入れ値を基準にした割合で、実際販売している価格(市場価格)に直すと、自治体によっては8割近いところが平気であります。
なのでこのような市場価格で高値で売れる高還元な自治体の返礼品の受領権は、例えキャッシュふるが3万円で販売しても第三者(Aさん)にとってはお得なんですね。
それに例えば受領権を3万5千円で販売しても購入する人がいるなら、それだけキャッシュふるに残る利益を多くすることもできるって寸法です。
また自治体側にもメリットがあって、それは「楽天ふるさと納税」や「さとふる」、「ふるなび」などのふるさと納税ポータルサイトに支払う手数料を抑えることができる点です。
これらポータルサイトの手数料は平均で10%かかっており、ふるさと納税にかかる経費を50%以下に抑えなければいけないという制約がある中、自治体の収入かなりを圧迫しています。
その点において、「キャッシュふる」はポータルサイトを介さず直接自治体に寄附してくれるので、自治体が負担する手数料を0%にすることができるというわけです。
つまり、
- 利用者は控除も使えるし寄附金の20%が現金でもらえて嬉しい
- キャッシュふるはユーザーからの手数料と返礼品受領権の販売利益がもらえて嬉しい
- 返礼品受領権を購入した人は、市場価格より安くものが買える
- 自治体もポータルサイトの手数料が0%にできて嬉しい
このように全方向に良しのビジネスなんです。
ただ、総務省は許さないだろう

ふるさと納税の目的の一つとして、このようなものがあります。
生まれた故郷やお世話になった地域など、応援したい地域のちからになれる。 過疎などにより税収が減少している地域と都市部との地域間格差を是正し、「地方創生に貢献できる」。
ある意味、キャッシュふるのやり方はこのふるさと納税の理念を曲解し、不当な節税につながるようなサービスを提供していると思われても仕方ないと思います。
また2015年4月1日には、自治体側にパソコンやiPadなどの換金性の高い電化製品、それに商品券・ギフト券などをふるさと納税の返礼品として提供することを自粛するよう通達が出されています。
今回換金しているのは自治体ではなくポータルサイトですが、それでもこのようなやり方はどのみち防がれるでしょう。
実際、6月9日のサービス開始とともに申し込んだ人たちは返金されることが決定しました。
そもそも返礼品は、寄附した自治体の地場産品を納税者が受け取ることがルールですから、間に入った企業がその権利を販売して第三者が受け取ることを総務省は認めないでしょう。
自治体としてもそのようなところからの寄附を受け付けたとなれば、最悪ふるさと納税の対象外団体として指定される可能性も出てきます。
実際、2019年6月には静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町、佐賀県みやき町が対象外となりましたし、2020年7月には、高知県奈半利町が対象外になった過去があります。
もちろん対象外になった原因が違いますが、総務省はふるさと納税の制度を維持するためにかなり厳格な措置をとってきたことを考えれば、最悪のことを想定しておくのが安全だと思います。
また、キャッシュふるのサイトで自治体の一つとして紹介されていた新潟県魚沼市も、提携関係や協力関係はなく『申し込みをされた場合にいかなるトラブルがあっても、当市では一切責任を負えません』との注意文を掲載しています。
なのでメリットがあることは理解しますが、正直皆さんにオススメできるサービスではないと思います。
現在は申し込みできる状態にはなっていませんが、今後できるようになったとしても自己責任でお願いします。
※キャッシュふるは2022年6月10日をもってサービス終了しました。
それではまた次回!
have a pandaful day
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